高齢親の金融資産どう管理する?脳梗塞で判断能力失うと「凍結」される場合も
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■親の認知症で対策すべきは財産凍結だけではない

 

親が認知症になってしまうと、「財産凍結」以外にも、お金にまつわるさまざまなトラブルが考えられる。

 

たとえば、水道光熱費のような公共料金や新聞代など、多くの支払いをクレジットカード決済にしている場合。銀行によっては、口座が凍結されても自動引き落としが継続されてしまうことがある。最近では明細が郵送されず、ウェブ上で確認するようになっていることもあるので、何をカード決済にしているのかを事前に親に確認しておこう。

 

また、認知症の親が他人にケガをさせたり、物を壊したりして、法的な賠償責任を負ってしまうようなこともあるだろう。そうした事態に備えるためには「個人賠償責任保険」への加入がおすすめだ。契約内容によっても変わるが、月々数百円程度で安心を買うと思えば、けっして高くはない。

 

「財産凍結への対策をしながら、プラスアルファで、認知症になったときに起こりうるトラブルを知っておくことが、もしものときの備えにつながります。いきなり財産凍結の対策を親に持ちかけても、『まだ大丈夫』と取り合ってくれないかもしれませんが、『ケガや病気で入院したときのお金の引き出し方や保険の請求、定期的な支払いはどんなものがあるのか』といったことから始めると、すんなり話を聞いてくれるでしょう」(元木さん)

 

いきなり大きなお金の話をするのではなく、具体的に起こりうるトラブルについて、親に想像してもらうことから話を進めていくことが大切だ。

 

【PROFILE】

元木翼

司法書士、行政書士。司法書士法人ミラシア、行政書士法人ミラシア代表社員。相談業務や講演活動のほかメディアにも多数出演。近著に『親の財産を“凍結”から守る認知症対策ガイドブック』(日本法令)がある

 

永井悠一朗

司法書士。専門は相続、遺言、後見、家族信託。これまで100件以上の家族信託の組成に携わる

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