正月の風物詩ともいえる年賀状。日本郵便によると年賀はがきの発行枚数は、2004年の約44億枚をピークに減少傾向が続いているという。「年賀状じまい」が加速する一方だが、そんな中、一部の人には逆の動きが見られているのだ。
「年賀状には思い出がある人が多いです。私も50代ですが、子供の時から年賀状がどっさり家に届き、お父さん、お母さんの分など家族で仕分けしていた思い出があります。
いざやめると『楽しみが減ったようで寂しい』『風物詩が消えた』という声も。やはり年始の挨拶は大切にしたいと、1度やめてみて気付く方もいるかと思います」
こう語るのは、手紙文化振興協会のむらかみかずこさんだ。
一度は「年賀状じまい」をしたものの、こういった理由から年賀状を再開する「復活年賀状」を考えているという人も少なくない。しかし、一度やめてから復活することはありなのだろうか。
「年齢を重ねれば健康面の都合もありますよね。人生にはいろいろありますし、気持ちも変わります。年賀状は『自分の気持ちを相手に伝える手段』ですので、復活することがいけないということはありません。
お年賀の字にも表れているように、年賀状はお互いに喜び祝うもの。《毎日さまざまなことがありますが、無事に年を明かすことができました。おめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします》と、今の素直な気持ちを年賀状に書きしたためて送りましょう」
年賀状を再開する際の書き出しについても、素直な気持ちで相手に伝えることが大切だとむらかみさんは言う。
「 《一旦辞めたけれども思うところがあり、再開することにしました。よかったらまた送ってくださいね。これからもよろしくお願いします》ーー。迷うようであれば、このような文面でいいのではないでしょうか。
自分の気持ちを相手に伝える手段なので、よくないというものはないと思います。返事を強要するようなことはせず、相手に自分の気持ちを素直に伝えることが大切です」
2025年は年賀はがきの値上がりもあり、さらに「年賀状じまい」が加速するだろう。しかし、年賀状は本来楽しみながら送るもの。「年賀状じまいをしたけど、やっぱり年賀状を送ってみたい」と迷っている人は、自分の気持ちに耳を傾けて、復活年賀状を送ってみてはいかがだろうか。
きっと、新年を晴れやかな気持ちで迎えることができるはずだ。