(写真・神奈川新聞社)
川崎市の中1男子殺害事件で、傷害致死罪に問われた無職少年(18)の裁判員裁判第2回公判が3日、横浜地裁(近藤宏子裁判長)であった。被告人質問で、少年は「友だちを切りたくないという思いはあったが、やらないと自分が殺されると思った」と説明。少年の母親と祖母も証人として出廷し、遺族への償いの気持ちを語った。
少年は事件で起訴された3人のうち、亡くなった男子生徒=当時(13)=と最も親しい関係だった。
男子生徒から遊びの誘いを受け、以前に男子生徒とトラブルになっていた主犯格の少年(19)=殺人などの罪で有罪確定=が「1発ぐらいは殴るんじゃないか」と考えたが、「そこまでしないだろうと思ったので(主犯格の少年の存在を)内緒にした」と呼び出した経緯を述べた。
いったん1人でコンビニに行き、戻った河川敷で主犯格の少年から切り付けるよう指示されたことは、「馬乗りになられ、カッターナイフを向けられた」と自身も脅されたと主張。少年が謝りながら首を切ると、男子生徒は苦しそうな表情で目に涙を浮かべ、口元が「ごめんなさい」と動いているような感じがしたという。
検察側は、少年が「弟のよう」に思っていたことを男子生徒が喜んだエピソードを紹介。なぜ助けを求めなかったのかとただしたが、少年は「自分たちのやっていることが怖くて、考えられなかった」と弁明した。当時の男子生徒の心境は「最も頼れる人が助けてくれないのは、とても苦しいと思う」と語った。
少年は昨年2月、主犯格の少年らと共謀し、多摩川河川敷で男子生徒の首をカッターナイフで多数回切り付け、死亡させたとして起訴された。傷害致死罪に問われた別の少年(18)は公判前手続きが続いている。
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