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(写真・神奈川新聞社)

交差点で人身事故を起こしたとして、自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われた70代の女性に対し、横浜地裁は12日、「関係証拠をより慎重に検討していれば、起訴されなかった可能性も否定できない」として、罪を認定した上で刑を免除する判決(求刑罰金30万円)を言い渡した。検察統計によると、刑の免除は2010~14年に言い渡された確定判決のうち4例しかない異例の判決。

判決によると、女性は14年6月、横浜市内の交差点で乗用車を運転し、横断歩道を渡っていた自転車の女性(63)に接触、頸椎(けいつい)捻挫など加療約1週間のけがを負わせた。

横浜地検は当初、被告の女性を不起訴処分としたが、被害者からけがの申告を受け「症状固定まで244日間を要するけがを負わせた」として起訴。公判開始後に「加療2週間のけが」に訴因を変更し、負傷の程度が争点となった。

松田俊哉裁判長は判決理由で、被害者が事故の約1週間後にも痛みを訴えていたことは「うつ病など別の原因との疑いが否定できない」と述べた。その上で、女性が長期間にわたり応訴を強いられた訴訟の経緯なども踏まえ、「刑の免除が相当」と判断した。

弁護人の増田智彦弁護士は「被害者の言い分をうのみにせず、検察官が証拠を精査すべきだった」と指摘。横浜地検の林秀行次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントした。