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(写真・神奈川新聞社)

横須賀市は生活困窮世帯の子どもたちに対する学習支援を始めた。退職した中学校教諭らでつくるNPO法人「こどもの夢サポートセンター」に委託し、高校受験を控える中学3年生を指導している。既存制度では生活保護世帯の子どもに限定されていた対象を2016年度から、就学援助費受給世帯にも広げた。教育格差を解消し、子どもの貧困の連鎖の防止を目指す。

就学援助費受給世帯向けの学習支援は、毎週金曜日に浦賀地区で実施。現在は16人の生徒が通っている。

4人ほどのグループに分かれ、元教諭と大学生のボランティアが市販の教材を使い、数学と英語を指導。学校の定期試験の前は、社会や理科などほかの教科にも対応するという。

「分からない問題を分かるまで教えてくれるので、学校の授業でも手を挙げ発言することが多くなった。自分の行ける高校の範囲が広がればいい」。学習支援に通う市立鴨居中学校の女子生徒(14)が笑顔をみせた。

市は生活保護受給世帯の子ども向けに2011年度から学習支援を実施。14年には、生活保護を09~11年に受給していた中学3年生のいる世帯の追跡調査を実施した。

その結果、3年半~5年後に生活保護から離脱した世帯は、子どもが全日制の高校に進学した世帯では77%だったが、定時制・通信制高校の進学者の世帯では57%、中学卒業で修了した世帯は41%にとどまっていた。同課は「全日制高校への合格は貧困の連鎖の防止に大きな効果があり、生活困窮世帯にも同じことが言えると考えられる」と強調する。

同法人の田渕勝廣理事長(73)は、「経済的に恵まれず、塾に行けない子どもたちの夢をかなえてあげたい。今後、市内の各地区でもできるようになれば」と話している。

学習支援は、大学生のボランティアと、子どもたちの軽食を支援する団体も募集中。問い合わせは、田渕さん・電話090(4424)8875。

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