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(写真・神奈川新聞社)

横浜市中区の山下公園前に係留・保存されている日本郵船氷川丸で19日、手紙をテーマにしたワークショップが開かれた。小学生10人と保護者が参加し、貨客船時代の船内での生活を追体験した。

氷川丸が就航していた北米シアトル航路は当時、航行に2週間をかけていた。乗客らは船内での娯楽やイベントなどを、家族や親しい人に宛てた手紙に書いて過ごした。かつて日本郵船の貨客船で提供された豪華な食事のメニューには、手紙や便箋になるよう工夫されているものもあったという。

ワークショップの講師役を務めた紙製品製造会社、山櫻の大場敦子さんが「感謝の気持ちや普段言えないことを手紙に込めよう」とアドバイス。この日は「父の日」にちなんで父親への手紙を書く児童が多く「お父さんへ いつもあそんでくれてありがとう」「パパへ いまのおしごとのちょうしはどうですか?」と書いた。封筒に氷川丸が用意した記念印を押した後、かつて乗客らが利用し現在もAデッキに残る船内ポストに手紙を投函(とうかん)する体験もした。

祖父に宛てた手紙を書いていた同市港南区の女子児童(9)と弟(6)のきょうだいは「86歳になった氷川丸のように、いつまでも元気でいてね」と話していた。

主催した日本郵船歴史博物館の吉井大門さんは「見学だけでは得られない氷川丸への深い理解が得られるはず。今後も続けていきたい」と話していた。

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