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(写真・神奈川新聞社)

横浜市神奈川区の大口病院で点滴に界面活性剤が混入され入院患者が殺害された事件で、神奈川署特別捜査本部は26日、同じ病室で18日に死亡した別の男性の死因も中毒死だったと明らかにした。2人の体内からは同じ界面剤が検出され、院内で使用している消毒液にも同成分が含まれていたことが判明。特捜本部は、点滴を使った連続殺人事件とみて調べる方針。

 

■遺族衝撃「悲しい」 同じ病室、新たに中毒死

特捜本部によると、新たに中毒死と判明したのは、同市青葉区の男性(88)。今月13日に入院し、18日午後7時に死亡が確認された。20日に中毒死した男性(88)=同市港北区=と同様に寝たきり状態で、栄養剤を含む複数の点滴を受けていた。

 

青葉区の男性が18日に使用したとみられる複数の点滴袋は院内に残っており、袋の表面には目立った穴や破れは確認されなかった。特捜本部は微量の残留物の分析を進めるととともに、港北区の男性の点滴と同じように栓のゴム部分から注射器で混入させた可能性もあるとみて詳しく調べている。

 

また、2人の遺体から検出された界面剤は、4階ステーション内の消毒液に含まれるものと同じタイプだったことも判明。殺菌作用が強い界面剤を含む消毒液は、病院内では一般的に器具の消毒などに使われており、同病院でもさまざまな場所に置かれているという。

 

青葉区の男性が使用した点滴は、港北区の男性と同様、4階に入院する他の患者の点滴とともに、17日午前に4階のナースステーションに運ばれていたとみられる。3連休中の17~19日分が1階の薬剤部から一括搬入されており、薬剤部では施錠して管理されていたことから、特捜本部は何者かがステーション内で混入させた疑いがあるとみている。

 

青葉区の男性とともに司法解剖されていた80代男性(18日死亡)と90代女性(20日死亡)は、いずれも病死と判明。体内から異物は検出されず、事件性はないと判断した。

 

ただ、事件が発覚した20日午前の時点で、4階ステーションには未使用の点滴約50袋が残されており、特捜本部はこれらにも界面剤が混入している疑いもあるとみて、今後分析を進める方針。

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