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(写真・神奈川新聞社)

 

南スーダンへの自衛隊派遣に抗議の声を上げようと19日、国会周辺で大規模な集会が行われた。国際ボランティア団体の代表や、野党幹部も登壇し「南スーダンが既に紛争地域であることは国際的に常識。日本政府だけが『安全』などと決め付けることは許されない」と訴えた。主催者発表で約6千人が抗議に訪れた。

 

「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の主催。南スーダン派遣のほか、沖縄・高江地区で行われている米軍のヘリ離着陸訓練場建設や、環太平洋経済連携協定(TPP)の国会承認強行についても反対した。

 

主催団体代表の高田健さんは「市民と野党4党の共闘。誰かの言葉ではないが、安倍政権を倒すには『この道しかない』。安倍晋三首相がそのことを一番よく知っている。だからヒビを入れようとしてくる。共闘は難しい。でも私たちは諦めるわけにはいかないんです」と連帯を深めようと呼び掛けた。

 

日弁連憲法問題対策本部の山岸良太さんは「この70年間、戦争しなかったのは国連加盟国の中で8カ国しかない。その中で大きな国は日本だけ。南スーダンは既に停戦状態ではなく派遣されている自衛隊も撤退してこなければいけない」と強調した。

 

集会では元農水相の山田正彦さんや民進、社民、共産の各党幹部らが次々とマイクを握った。

 

国際的な人道支援に取り組む「日本国際ボランティアセンター(JVC)」の代表、谷山博史さんはJVCから8月1日に南スーダンの首都ジュバにスタッフを送り、避難民支援を始めたことを報告。現地状況について「7月8日にまず大統領官邸の近くで武力衝突が起き、瞬く間に市内各地に拡大した。紛争の状況はいま軍と軍との衝突を超え、殺りくへと事態は発展している。これは紛争ではないのか。政府は『発砲事案』とし、現地の武装勢力を決して紛争当事者と認めない。なぜか。紛争当事者とすると、駆け付け警護や共同宿営地防衛として自衛隊が武器を使用した場合、『武力の行使』に当たり、憲法違反になってしまうからだ」と指摘した。その上で、紛争現場の情報がゆがめられ説明されていることを懸念し「政府の行為に歯止めがかけられなくなると、私たちは戦争に巻き込まれていく。かつてもそうだったじゃないか。だからいまが踏ん張りどころ」と声を張り上げた。

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