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(写真・神奈川新聞社)

 

県所有の棟方志功の版画がカラーコピーにすり替わっていた問題を受け、県が実施していた全美術品対象の調査で、油絵1点について実物と台帳の記載が異なっていることが27日、分かった。県は作品のすり替わりや台帳の誤記載の可能性もあるとして調べる。

 

県によると、油絵は子ども自立生活支援センター(平塚市)が所蔵し、台帳上の価格は5万円。台帳には作者名「川辺外治」、題名「母と子」と記載されていたが、油絵の裏側には作者名とみられる別の名前と「シチリアの祭り」と記載されていた。1976年に取得したが、その後の経緯は不明。

 

また、県教育委員会所管の彫刻など3点で損傷があったことも発覚。県立YMCA三浦ふれあいの村(三浦市)で屋外展示されていたセツ・スズキ作の彫刻「アンタニアワカルメ」(購入価格200万円)が一部損壊していたほか、県立神奈川総合産業高校(相模原市南区)で展示していた作者不明の絵画2点(台帳上の価格15万、20万円)に穴が開いていた。このほか、台帳に二重記載されていた絵画も1点あった。

 

県や県教委は5~6月、所有する美術品など約2万点を対象に管理状況や不自然な点がないかを調査し、27日に中間報告を公表。7月以降に2次点検として、「母と子」など不自然な点や損傷などがあった5点と100万円以上の作品計1,747点を学芸員が調べる。棟方志功の版画について県職員らの聞き取りも進めているが、すり替わりの経緯は明らかになっていない。

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