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(写真・神奈川新聞社)

 

総務省がふるさと納税の返礼品を調達費用の3割以下に抑えることなどを各自治体に求めている問題で、県を含む県内34自治体のうち少なくとも18自治体が、3割を超える返礼品を扱っていることが、神奈川新聞社が実施したアンケートで分かった。金券や電子機器など、同省が「趣旨に反する」とした品目も多く、返礼品を見直す動きが広がっている。

 

総務省から返礼品抑制の通知があった4月1日時点で、返礼品を取り扱っていたのは藤沢、大和、座間市を除く31自治体。このうち、調達費用が寄付金額の3割を超える返礼品があったのは、非公表とした相模原、平塚の両市を除いて18自治体あった。

 

具体的な品目として宿泊券や食肉、ゴルフ場のプレー券などが挙げられた。調達費用に占める割合が最も高い返礼品については、宿泊ギフト券や地酒、アイスクリームなど、5割以上とする品目もあった。

 

また、各自治体が扱う全ての返礼品のうち、調達費用が3割を超えているものが「ほぼ全て」とした自治体は7自治体に上った。

 

同省は「ふるさと納税の趣旨に反する」として換金性の高い金券類、資産性の高い電子機器や貴金属などの返礼品を取りやめるよう求めているが、こうした返礼品があると答えた自治体は、8自治体あった。

 

内訳は、自転車(茅ケ崎市など)、カメラ(綾瀬市など)、電子機器(小田原市など)、航空会社のポイント(三浦市)など。

 

同省の通知を受けて、返礼品を見直す動きも出てきている。既に10自治体が見直しに着手。茅ケ崎市は自転車(ビーチクルーザー)の取り扱いを中止したほか、秦野市は金券を返礼品から外した。小田原市では電化製品のラインアップを見直した。

 

このほか、11自治体が見直しの検討を考えている。一方、「見直しを考えていない」と回答したのは大井町のみで、「3割を大きく逸脱するものはほぼないと考えている」としている。

 

アンケートは県と県内33市町村を対象に5月から6月にかけて実施した。すべての自治体から回答を得たが、調達費用に占める割合などを非公表にしている自治体もあった。

 

■ふるさと納税
生まれ故郷など応援したい自治体に寄付すると、原則2千円の自己負担を除いた分だけ居住自治体の所得税や住民税が軽減される制度。年収や家族構成によって控除の上限額が異なる。返礼品として寄付額に応じて特産品などが贈られるが、多くの寄付を集めようと自治体による返礼品競争が過熱。このため、総務省は4月に各自治体に返礼品を抑制するよう通知を出した。

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