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(写真・神奈川新聞社)

 

8月に入って、県内をはじめ東日本の太平洋側を中心に雨が降り続いている。日照不足、低めの気温。さまざまな方面で影響が出始めた。

 

横浜地方気象台によると、横浜では7~16日の10日連続で雨を観測した。8月としては1977年の連続21日が最長だが、今後1週間程度は雨や曇りの天気が続くとみられる。

 

1~15日の日照時間は横浜で平年比52%減の49.2時間、平均気温は0.6度低い26.2度にとどまる。海老名や辻堂、小田原、三浦でも同様の傾向という。下旬は一転して残暑が厳しくなり、30度を超える暑い日が続く見込みという。

 

■「最悪のお盆」

 

ぐずつく天候の直撃を受けたのが海水浴場だ。鎌倉市によると、市内の三つの海水浴場(材木座、由比ガ浜、腰越)の1~14日の海水浴客は計21万5千人で、昨年の同じ時期に比べて約4割減った。

 

海の家でつくる由比ガ浜茶亭組合の増田元秀組合長は「史上最悪のお盆だ。この業界に30年いるが、お盆が全滅したのは初めてじゃないか。ビーチは人が少なくてさみしい。来週以降なんとか晴れてほしい」。

 

屋外ビアガーデンを構える横浜ベイクォーター(横浜市神奈川区)の担当者も、「気温も上がらず厳しい。書き入れ時なのに約260席の半分程度しか埋まらないこともある」と嘆く。


■雨傘販売3割増

 

一方、思わぬ活況も。家電量販店のノジマ(同市西区)では、布団乾燥機の売り上げが対前年で300%に達した日も。担当者は「メーカーによっては欠品も出た。この時期では異例」と驚きを隠さない。

 

同じく“恵みの雨”となっているのは百貨店業界。横浜高島屋(同区)では、15日までの1週間の雨傘の売り上げが、前年同期比35%増。婦人服の秋物が早くも動き始め、カーディガンなど羽織り物が15%増と好調だ。そごう横浜店(同区)は「体験型イベントも含めて全体の動向は全ていい」。そごう美術館のレオナルド・ダ・ヴィンチ展の入場者数は予測の2倍に上る。

 

プロ野球の横浜DeNAベイスターズは15日の横浜スタジアム(同市中区)での中日戦が中止に。翌16日も小雨が降り続き、スタンドは空席が目についた。雨天中止が続けば、シーズン終了間際の日程が過密になる。ラミレス監督は「(このままだと)9月がエキサイティングなことになるね」と苦笑いを浮かべた。

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