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(写真・神奈川新聞社)

 

神奈川県警は、身元不明で亡くなった人の情報を提供する新たな試みとして、今月から生前をイメージした似顔絵をホームページ(HP)で公開している。提案した女性職員は「一人でも多くのご遺体が遺族のもとへ戻るきっかけになれば」と話している。

 

県警鑑識課によると、HPには、県内で見つかった身元不明の死亡者775人の推定年齢や発見場所、所持品の写真などを掲載している。同課はこのうち、昨年亡くなった男女4人のカラーの似顔絵を1日に公開し、7日にも男女6人を追加した。今後も随時、公開を進めていく。

 

今回の取り組みは、昨年暮れに事務職員の今村公子さん(23)が要望したのがきっかけ。

 

もともと絵を描くことを得意にしてきたが、東日本大震災後、地元県警が行方不明者の似顔絵を公開したことで多数の情報が寄せられたことを知り、「身元判明に貢献したい」と上司に直訴したという。

 

同課に異動した今村さんを含めて、似顔絵の作成を担っているのは3人。遺体の顔写真から生前の姿を思い浮かべ、色鉛筆などを走らせる。目の開き方や輪郭を表現するのに試行錯誤し、1枚に数日を要することもある。

 

県警が取り扱う死亡者は年間で約1万人。身元が分からない人は毎年50人を超え、判明に至るのは「年間で10人未満」(同課)にとどまっている。

 

今村さんは「似顔絵の技術を上げて、可能な限り生前に近い表情を再現することで、一件でも多くの情報が寄せられれば」と期待している。