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(写真・神奈川新聞社)

 

詩人・北原白秋(1885~1942年)が歌を詠んだ地などを船で巡るイベントが、三浦市内の三崎港周辺で行われた。市内外から30人が参加し、三崎を愛した白秋の足跡をたどった。

 

三崎白秋会の主催で、第40回みさき白秋まつりの一環。参加者は1日夕、複合施設「うらり」(同市三崎)前から水中観光船「にじいろさかな号」に乗って三崎港を周遊し、白秋ゆかりの地を海上から眺めた。

 

同会事務局長の山口勝さん(86)がガイドを務め、詩や短歌の舞台となった通り矢や八景原などの近くを通り、昔の写真を見せながら作品を紹介。城ケ島内にある白秋碑前では市合唱連盟の有志が「城ケ島の雨」を歌った。

 

同会によると、国内に62ある白秋碑のうち本人が生前に建立を認めて碑文を書いたのは、1949年に建立された城ケ島と41年の見桃寺(同市白石町)の2カ所のみ。城ケ島では白秋自身の希望で41年に建立の動きがあったが、戦争を理由に軍部に認められなかった。

 

山口さんは「太平洋戦争が始まろうという状況で、(東京湾要塞(ようさい)の拠点に)文学碑などもってのほかということで城ケ島にはつくれなかった」と説明した。

 

横浜市戸塚区の会社員岡田尚也さん(33)は「白秋と三崎がこれだけゆかりがあるとは知らず、新しい発見。三崎の歴史を知ることもできて良かった」と話していた。

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