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(写真・神奈川新聞社)

 

稲刈りと脱穀を終えた農家が収穫を祝う珍しい行事「扱(こ)き上げ」を再現した展示会が、川崎市立日本民家園(同市多摩区枡形)で開かれている。11月の吉日に行われていた民俗行事を調査、かつて農村にあった深まる秋の風景を忠実に伝える。

 

扱き上げは、10月の収穫祝い「刈り上げ」後に行われた年中行事。同区登戸から移築された県指定重要文化財の旧清宮家住宅に、稲や米、脱穀用の千(せん)歯(ば)扱き、米の大小を振り分ける網状の万(まん)石(ごく)などが、お供えのぼた餅とともに飾られている。

 

学芸員の関悦子さんによると、収穫への感謝のほか農作業に携わった家族を慰労するのが目的。「50年ぐらい前まで農家で実際に行われ、道具も当時のままに再現した。これが終わると農閑期に入り、家の中で玄米を精米する作業が続けられた」と説明する。

 

展示会は11月5日まで。問い合わせは、民家園・電話044(922)2181。

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