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(写真・神奈川新聞社)

 

次世代のために非核社会を築くことに努力した個人や団体に贈られる「核のない未来賞」の2017年の受賞者に、平和問題に取り組むNPO法人ピースデポ特別顧問の梅林宏道さん(80)=横浜市港北区=が選ばれた。北朝鮮情勢が緊迫化する中、朝鮮半島の非核化に向けた地道な取り組みが世界的に高く評価された格好だ。

 

同賞は、核廃絶に関する国際的な賞で、ドイツ・ミュンヘンに本部を置く「核のない未来賞財団」が1998年に創設。梅林さんは北東アジア非核兵器地帯構想の提唱とピースデポ設立の功績が評価され、問題解決部門で選ばれた。

 

同構想は、日本と韓国、北朝鮮を非核兵器地帯とし、核兵器保有国の米国、中国、ロシアを合わせた計6カ国で条約を結び、非核地帯に核を持ち込ませない、などとしている。

 

受賞理由は「(梅林さんは)橋渡し役として隔たった社会陣営の間に接触を築き、大量破壊兵器による平和という危険な見せかけにノミを振るっている」とした。授賞式は9月15日にスイス・バーゼルで開かれた国際会議の中で行われた。

 

梅林さんは受賞について「ヨーロッパの人たちが朝鮮半島の非核化に強い関心を寄せ、さらに広がれば」と期待。今後については「構想は実現可能であり、平和的解決の唯一の方法。諦めずに何とか食いついていきたい」と力を込める。

 

受賞とピースデポ創立20周年を記念し、「北東アジア非核兵器地帯シンポジウム」を28日午後2時~5時半、明治学院大白金校舎(東京都港区)で開く。梅林さんの講演のほか、国会議員らを交えたパネル討論を行う。資料代として一般800円、会員500円。事前申し込みは不要。問い合わせは、ピースデポ/
電話045(563)5101。

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