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(写真・神奈川新聞)

 

国の有形文化財建造物に登録されている住宅「岩瀬邸」(小田原市鴨宮)で17日、かやぶき屋根の葺(ふ)き替え作業が1日限定で一般公開された。澄んだ冬空の下、18年ぶりに行われている珍しい作業を、多くの市民らが見守った。

 

葺き替え作業は、宮城県石巻市の専門業者が11月20日から実施。南、東、西の3面の屋根約220平方メートルをアシ807束を使い、修繕している。南側は1999年に葺き替えたが、今春に暴風による被害を受け、およそ20年という例年よりやや早く実施した。

 

所有者の協力を得て企画された「特別観覧会」では、工程終盤にあたる棟部分の作業が公開された。訪れた市民らは8人の職人による作業を庭から見上げたり、熱心にシャッターを切ったりしていた。

 

妻の育子さん(72)と訪れた茨城県出身の青木好男さん(77)は「幼い頃、わらぶき屋根の葺き替え作業を毎年のように見ていた。最近は珍しくなっただけに、懐かしいね」と話し、職人に望遠レンズを向けていた。

 

岩瀬邸は、三越社長として戦後の財界で活躍した実業家・岩瀬英一郎の生家。1857~58(安政4~5)年に建てられ、2009年3月に国の有形文化財建造物に登録された。現在は英一郎の親族が暮らしており、かやぶき屋根は12月28日に完成する予定。