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(写真・神奈川新聞)

 

相模湾を中心に高潮や高波の被害が相次いだ昨年10月の台風21号で、東京湾側の横浜市中区で過去最高の潮位になっていたことが分かった。当時、市内でも防潮堤の損傷などが確認されており、人口や産業の集積する東京湾でも高潮対策が欠かせない状況が浮き彫りになった。今月23日で台風の襲来から半年となるが、相模湾沿岸では復旧作業が続いている。

 

気象庁によると、海上保安庁が管轄する中区新港町の検潮所で昨年10月23日午前6時43分、156センチの潮位を観測。同検潮所で統計が開始された1996年以降の最高潮位(151センチ、2006年10月8日)を上回った。

 

横浜地方気象台が台風21号の通過後に公表した速報値は149センチだったが、その後の調査で今年3月に潮位が修正された。台風の当日は午前6時55分が横浜の満潮で、台風の接近や通過がこうした時間帯に重なったことで潮位が高まったとみられる。

 

台風21号は静岡県御前崎市付近に上陸後、神奈川県などを通過。横浜市内では中区や磯子区の港湾施設などで防潮堤の損傷やガードレールの損壊などがあり、神奈川区でも住宅の床下浸水があった。市はこれらの原因について「高潮の可能性が高い」とみている。小田原市で記録した91センチも過去最高潮位だった。

 

高潮は台風や発達した低気圧が通過する際に海面が高まる現象。水深が浅い所で発達し、湾の奥も影響を受けやすい。近年は東京湾では目立った被害は出ていないものの、温暖化などを背景とした水害の激甚化を受け、高潮についても河川の氾濫と同様に最悪ケースの想定を公表する動きが進んでいる。

 

東京都が今年3月に公表した想定によると、1934年の室戸台風級の台風が襲来すると、東京23区のうち東部を中心とした17区で計212平方キロメートルが浸水する。浸水範囲の昼間人口は約395万人に上り、浸水時の水位が10メートルに達する地域もあるとされた。

 

神奈川県も東京湾で想定される最大級の高潮の影響について試算しており、2018年度中の公表を目指している。