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(写真 神奈川新聞)

 

横浜市金沢区の平潟湾にアマモを再生させ、生き物があふれる海にしようと、「アマモ移植会」が30日、同区瀬戸の琵琶島で行われた。地域の子どもなど約140人が参加し、約1800本のアマモの苗を18個の苗床プランターに移植。ダイバーらが平潟湾の2カ所にプランターを固定した。昨年移植した苗は全滅しており、参加者は「今年こそはぜひ育ってほしい」と期待を込めた。

 

移植会は、「金沢八景-東京湾アマモ場再生会議」(代表・塩田肇横浜市大国際総合科学部准教授)と瀬戸神社の主催。NPO法人「海辺つくり研究会」、東京湾UMIプロジェクト認定参加企業の高千穂と東洋建設なども共催した。市立金沢小の児童や県立海洋科学高の生徒、横浜市大の学生らも参加した。

 

平潟湾の琵琶島周辺のアマモは、戦前まで瀬戸神社の神事「無垢(むく)塩祓(しおばら)い」に使われていた。しかし、環境悪化などで姿を消し、神事も行われなくなっていた。しかし2011年、再生会議の協力で、別の場所のアマモを使って約80年ぶりに神事が復活、琵琶島周辺でのアマモ場再生の取り組みも始まった。

 

ただ、塩分が薄くなることがあるなどの条件から、アマモ場再生は難航している。昨年のプランター18個は全滅するなど、定着は実現していない。塩田代表は「つらい状況が続いている」という。

 

今年は、別の場所で育てている苗の育ちが良かったため、昨年と同じ18個の苗床プランターに約2倍の苗を移植した。父親と一緒に作業に取り組んだ子ども(7)=東京都=は、苗一本一本に「大きくなってね」と声を掛けた。「海が大好きなので」と笑顔を見せていた。

 

塩田代表は「アマモは瀬戸神社の神事に欠かせない。アマモ場が再生するまで頑張りたい」と決意を新たにしていた。

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