(写真・琉球新報社)
翁長雄志沖縄県知事は18日、鹿児島県馬毛島を視察した。同島はおおさか維新の会が米軍普天間飛行場の5年以内の運用停止に向けた訓練移転先として提案している。同島のほぼ全域を所有する立石勲氏の案内で視察を終えた翁長知事は同日夜、那覇空港で記者会見し、「米軍基地としては十二分にやっていけるという話はあった」と報告した。その上で「地元への配慮を抜きにすれば、辺野古を160ヘクタール埋め立てることと比べ、どうかということがある。他の都道府県にもそのような場所はあると思う。辺野古が唯一という言葉は外してほしい」と政府に求めた。
視察は1時間半弱だった。視察後、知事は同島には約2千メートルと約4千メートルの滑走路用地があった点などを説明した。
その上で視察について「可能性があるものは一つ一つ私も見ることが必要だ」と説明した。
翁長知事は「数日後(21日)に政府・沖縄県協議会がある。その議論をする上でも一つの努力だと思っている」とも述べ、同協議会の場での議論も希望した。
県が馬毛島を普天間飛行場の移設先として提案する可能性については「私が、どの県のどこに造るのが合理的だとかいう議論をするつもりはない」と否定した。
一方、移設先を決定する政府が「辺野古が唯一」という姿勢を崩さない点を挙げ、「意見交換の場があるのならば、これまでの話の上に立ち、前に進められるものがあれば意見交換したい」と踏み込んだ。
知事の視察に対し、地元の西之表市や市民団体が「遺憾」と抗議したことについては、「不快感を持つことは大変理解できる」「日本全国どこでも不快感を持つだろうということはある」と述べた。
一方で「日本の安全保障、沖縄の戦後71年をどうするんだ、ということを理解してもらう必要がある。そうしたこと(先方の不快感)を踏まえながらも、一つ一つ、沖縄がやることはやる必要がある」と述べ、辺野古新基地建設問題の議論を喚起する必要性を強調した。