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英語表記の看板が並ぶゲート通り=沖縄市胡屋
(写真・琉球新報社)

7月末、街歩きの観光案内をする観光ガイドの伊禮洋子さん(64)と共に「基地の街」と呼ばれる沖縄市の中心街を散策した。嘉手納基地へとつながるゲート通りは、英語の看板の飲食店が軒を連ねる。ドルが使えるてんぷら店(上間てんぷら店)などユニークな店も多い。

 

■街の人と会話楽しむ
通りを歩いていると、インド出身のナンドワーニ・ラチェ・レッカラージュさん(58)に出会った。紳士服仕立て専門店「デスタニーテーラーズ」を営んでいる。「もう沖縄が古里。帰りたいと思わない」と笑顔で語った。街の人たちと会話を楽しむのも、この街歩きコースの魅力の一つだ。

 

市中央に向かうと、春には黄色い花を付けるイペーの木が並ぶ。落ち着いた雰囲気だ。亀甲墓と破風墓が大きく構え、道の脇でシークヮーサーの木が小さな実を付けている。沖縄と異国の文化が混在する空気が不思議と心地よい。中央パークアベニューではシャッターが下りている店舗が目に付いた。かつて米国人向けの歓楽街BC通りとして栄えた。その名残で英語表記の看板が残っている。米国文化として戦後入ってきた刺しゅう店も複数あり、中でも「タイガーエンブ」は創業52年の老舗だ。色鮮やかな刺しゅうを施したワッペンが並ぶ店内にはこの日も米兵らが訪れていた。輸入雑貨店「インド屋」の店長ユシヌ・シトゥラーニーさん(68)にも出会った。日本復帰直前の沖縄に引っ越してきたことなど昔の思い出を語ってくれた。

 

■タイムスリップ!?
一番街商店街に続くコザパルミラ通りに資料館「ヒストリート1・2」がある。航空機の廃材を利用して作られた鍋やコーラの空き瓶を利用したコップに触れることができ、終戦直後にタイムスリップしたようだ。一番街商店街も不況や大型店舗の進出などで閉業・休業に追い込まれ、空き店舗が多い。市が2013年から新規事業を始める際の店舗改修費用を補助する制度を始め、新しく開業する人も増えつつある。エイサーの街らしく、市内の各青年会の旗印が掲げられていた。小道に入ると、地域住民が日常の買い物をする小さな市場がある。野菜や肉が店の前に陳列され、客と店員の距離が近いのが印象的だった。

 

人々の日常生活と娯楽空間、戦争の記憶がひしめき合うように密集するコザ。通りごとに異なる顔を見せてくれ、角を曲がるのが楽しみになっていた。