朗読の練習に励む沖縄国際大の学生ら=10日、宜野湾市の同大
(写真・琉球新報社)
沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)に米軍ヘリが墜落した2004年8月13日から13日で12年が経過する。当時小学生だった同大の現役学生たちが墜落の記憶を語り継ごうと13日、大学主催の集いで被害者や目撃者の証言を朗読する。
沖国大非常勤講師でフリーアナウンサーの佐渡山美智子さんが企画を呼び掛け、昨年から始まった。佐渡山さんは「朗読技術ではなく、大学で起きた事実に本気で向き合う機会にしてほしい」と語った。証言を単に覚えるのではなく、読み込んで朗読するよう指導している。
朗読では宜野湾市の人々の沖縄戦体験や宮森小学校ジェット機墜落事故の証言も読み上げる。同大の学生や教員らが集めた証言を基に学生自ら朗読したい箇所を選んで構成を決めた。
昨年に引き続き参加する城間愛里さん(21)=3年、北中城村=は「朗読に参加するまで、沖縄戦や墜落事故のことを知るのが怖くて避けていた。朗読をきっかけに証言を読み、事故を自分のこととして捉えて向き合うことができるようになった」と語った。
昨年は、翌日の本番に向けて最後の練習をしていた12日、うるま市沖に米軍ヘリが墜落した。知らせを聞いた鹿児島県出身の坂口潤さん(19)=2年、宜野湾市=はショックを受け、本番当日に体調を崩したという。
坂口さんは「沖縄に来て初めて聞いた墜落のニュース。怖かった。今年も思い出して怖くなってきた」と話す。だが今年も参加を決めた。「危険が身近にある現状を知らなかった県外出身者だからこそ、頑張って伝えたい」と意気込んでいる。
朗読ライブ「VOICE―ぼくらが繋ぐ明日へのバトン」は午後3時から同大図書館AVホールで開催される。
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