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(写真・琉球新報社)

その長さ、わずか25メートル。沖縄県の渡名喜村に県内で一番短い県道がある。村役場から渡名喜港につながる村内唯一の県道「渡名喜港線(県道188号)」がそれで、村の観光パンフレットでも「県内最短の県道」として紹介している。車両も通行できるが、歩いても端から端まで1分もかからない。村や県の関係者も「なぜこれだけ短い県道ができたのかは分からない」と語っており、設置の真相は謎に包まれている。

 

県土木建築部によると、渡名喜港線が設置されたのは63年前の1953年9月で、日本復帰の72年に県道に付け替えられた。県道は1キロを超えるものが多いといい、渡名喜港線は群を抜いて短い。2番目に短い県道は久米島町の県道175号兼城港線で、長さは98メートルだが渡名喜港線と比較すると約4倍ある。

 

県道の設置基準は道路法7条に基づいており、2項で「主要港とこれと密接な関係にある主要停車場または主要な観光地とを連絡する道路」、6項で「前各号に掲げるもののほか、地方開発のため特に必要な道路」と定めている。主要港の渡名喜港と村役場がごく近くに存在したこと
が、短い県道が誕生した理由となっている可能性もある。

 

村内の道路を所管する村経済課は「設置の理由は今となっては不明だが、県内最短の県道ということで、何かのPR材料にできればと思う。標識などはないので、村の人でも分からない人はいると思う。今後、説明板を設置するなど、村として何かできることがあるか検討してみたい」と話している。(外間愛也)

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