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猛烈な風で根っこから折れた電柱=4日午後4時50分ごろ、久米島町儀間(当間詩朗撮影)(写真・琉球新報社)

国内に接近した台風の中で最も強い中心気圧905ヘクトパスカルまで発達した台風18号は、4日未明に久米島を暴風域に巻き込みながら、島の西側を通過した。久米島町では4日午前0時49分、最大瞬間風速59・7メートルを記録するなど、猛烈な台風の風雨にさらされた。沖縄電力によると久米島町は、最接近時の同日午前0時ごろ、町内のほぼ全戸数に当たる3660戸が停電。電柱が折れたり、体育施設の屋根が崩落したりするなど、町内に大きな爪痕を残した。

 

久米島町内では4日、住民らが割れた窓ガラスや詰まった排水溝の掃除などに追われた。4日午後11時の時点でも1300戸が停電している。県によると、久米島でけが人の発生などはなかった。久米島町によると、同日夕方の時点で窓ガラスの破損や倒木など40件の被害報告があった。全体の把握には至っておらず、役場では最終的に約100件ほどになるとみている。

 

本島でも4日未明、中城村などで停電が発生した。

 

4日午前3時30分ごろ、名護市城のビル敷地内に建てられていた高さ約5メートル、幅約1・5メートルの看板が強風にあおられ、歩道や車道にはみ出して倒れた。

 

読谷村楚辺の古堅小の正門前では強風にあおられ木が根元から倒れた。大宜味村謝名城では、直径50センチの木が根元から折れた。

 

台風18号は沖縄本島に接近しつつあった3日午後、急激に発達。気象台は同日夕、記者会見を開いて台風概況を説明。会見終了からわずか1時間半後に特別警報を発表し、再び会見を開くなど対応に追われた。気象の専門家は「予測は相当難しかっただろう」と分析している。特別警報は4日早朝に警報、注意報に切り替わった。

 

非常に強い台風18号は4日午後9時現在、強い勢力を保ったまま、東シナ海を時速30キロで北へ進んでいる。今後、東寄りに進路を変え、対馬海峡を通過。山陰沖を東北東に進み、5日夕方から6日にかけて、北陸地方から東北地方に接近し、上陸する恐れがある。

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