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(写真・琉球新報社)

 

宮城県の新聞記者で東日本大震災の被災地取材を続ける寺島英弥さん(河北新報社編集委員)が新著「何も終わらない福島の5年-飯舘・南相馬から」を著した。原発事故に幕引きを図ろうとするかのように政府側の「復興」事業が喧伝(けんでん)される陰で、除染活動や風評被害、帰還問題などの難題と向き合う福島の苦闘と希望を丹念に報告している。

 

寺島さんは3月に沖縄で開かれた「フォーラム3・11 今できること」(琉球新報社、沖縄テレビ放送、ラジオ沖縄主催)に出席しており、新著のエピローグでそれを取り上げた。震災の記憶を継承し、被災地や避難者に寄り添って支援を継続することを確認した討論の内容を詳述している。

 

「あとがき」では「『終わらないことは終わらない、おかしいことはおかしい』と言い続けなくては。歴史を記録し、伝えてきた先達である沖縄の人たちに学ぶ時だ」との同フォーラムでの発言を紹介した。

 

「原発事故による惨禍は、広島、長崎の原爆、沖縄戦などの犠牲と同様、風化による忘却を許しません」「『何も終わっていない』と言い続けるのは『隠す』『小さくする』『繰り返す』側もあるからです」とも述べ、被災地取材を続ける決意を表している。

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