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(写真・琉球新報社)

 

どこにでもいそうな明るくて元気な女の子。ステージに立つとイメージは一変する。繊細な歌声でバラードやポップスを堂々と歌いこなす。興南高校に通う歌手・安次嶺希和子(18)の圧倒的な存在感は周囲を驚かせる。

 

明るい歌はより明るく、恋愛をテーマにした歌では、恋人と寄り添っているかのような情景を描くように歌う。ライブというよりミュージカルを演じているかのようだ。「私はうそを見抜かれるタイプ。だから好きな歌しか歌えない。歌っていても感情が表に出てしまう」

 

声楽家の母と音楽が趣味の父の下で育った。「いつの間にか音楽に親しんでいた」という環境は彼女を歌の世界へと導く。2015年1月「ヤマハミュージックレボリューション」でグランプリを獲得し、本格的に歌手活動へと歩みだす。

 

ステージでは多彩なジャンルに挑む。しかし、それだけでは満足しない。「いつかは自分らしい曲、そして『安次嶺希和子』という全く新しいジャンルをつくりたい。『希和らしいね』って言われるように-」

 

歌手活動と並行して大学進学を目指す。「10年後には歌いながらプロデューサー業にも打ち込んでみたい」とも語る。「音楽だけではなくCD製作や販売の手法など、売れるためにどうすればいいのか学んでみたい」と意欲的だ。

 

夢は大きい。「いつか東京ドームのような大きなステージに立ちたい」。笑顔で話すその声は高校生そのもの。夢を見据える瞳はキラキラ輝いている。

 

文・金城実倫
写真・諸見里真利

 

安次嶺希和子(あしみね・きわこ)

1998年生まれ。沖縄市出身。エグザイルプロフェッショナルジム沖縄校で、2年間ボイストレーニングとダンスに打ち込む。
2015年1月、ヤマハグループ主催の第8回「ミュージック・レボリューション」で自身が作詞作曲した「太陽の雫(しずく)」を歌い、全国4522組の中からグランプリを受賞。日本テレビの「24時間テレビ」に出演した。FM沖縄の番組にレギュラー出演する。
16年10月には初のミニアルバム「トロピカルグリーン」を発売し、11月には単独ライブを開いた。

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