やんばるに民泊しながら自然と触れ合うトレッキングツアー=東村
(NPO法人東村観光推進協議会提供)
世界自然遺産登録を目指す沖縄県国頭村と大宜味村、東村が連携し、本島北部3村での民泊を呼び掛ける「ヤンパク(ヤンバルで民泊)」を展開している。森林散策やカヌーといった「自然体験」、赤土防止のグリーンベルト植栽など「環境保全活動」、琉舞やエイサーの「伝統文化体験」といった3村それぞれが用意した体験型プログラムを共有することで、利用者の滞在を1泊2日から2泊、3泊へと延泊を狙う。
「ヤンパク」は3村連携による民泊や体験型プログラムなどを強化する事業。結くにがみ(国頭村)、NPO法人おおぎみまるごとツーリズム協会(大宜味村)、NPO法人東村観光推進協議会(東村)の3団体が、共通のプログラムや大人数の民泊割り振りを行う総合窓口となる。
自然豊かな地域の民家に宿泊して農・漁業や家庭料理を体験し、住民との交流を楽しむ民泊。現在3村では、約100軒の家庭が修学旅行生を対象とした教育型民泊を受け入れており、年間で約1万2千人の学生が宿泊しているという。
ただ、修学旅行生の民泊利用は春と秋に集中しており、3村は閑散期の対策として一般の観光客が多く訪れる時期の民泊利用を増やそうと取り組む。
NPO法人東村観光推進協議会は昨年11月に、台湾や香港人客向けの民泊体験ホームページを開設した。外国人を含めた一般客は修学旅行生に比べて消費額が高く、修学旅行生と一般客向けの民泊を交互に行うことができれば事業の安定につながる。これまでに外国客では台湾人客6組の利用があったという。
小田晃久事務局長は「3村を訪れる学校数は減少する傾向がある。3村間で体験型プログラムを共有する『ヤンパク』を実施したことで、民泊の利用が1泊2日から2泊3日へ延びている」と説明する。今後の展開について「世界自然遺産の登録を目指し、環境保全教育を取り入れた体験型プログラムづくりを強化していきたい」と話した。(呉俐君)