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(写真・琉球新報社)

 

沖縄県にある米軍嘉手納飛行場の周辺住民2万2048人が、国を相手に夜間・早朝の米軍機飛行差し止めや騒音被害に対する過去、将来分の損害賠償を求めた第3次嘉手納爆音訴訟で、那覇地裁沖縄支部(藤倉徹也裁判長)は23日、爆音は受忍限度を超えていると認定し、総額約302億円の損害賠償の支払いを国に命じた。全国の基地爆音訴訟で過去最高額となる。

 

一方で、飛行差し止めの請求について藤倉裁判長は「被告(国)に対して支配の及ばない第三者(米国)の行為の差し止めを請求するものだ」として、従来の基地爆音訴訟と同様に「第三者行為論」を採用し棄却した。原告側は控訴する方針を示した。 損害賠償算定の基準月額も過去最高水準。

 

うるささ指数(W値)75以上の原告に月額7千円、以後W90以上までW値5増加ごとに6千円を追加した。W値95以上原告には月額3万5千円の支払いを命じた。将来分の請求は却下した。2次訴訟で賠償が認められなかった読谷村座喜味以北の原告についても「受忍限度」を超えているとして、賠償を認めた。一方で、騒音分布図(コンター)外原告の請求は認めなかった。

 

判決で藤倉裁判長は、爆音による生活妨害や睡眠妨害などに加え「高血圧症発生の健康上の悪影響のリスク増大も生じている」として原告側が主張していた健康被害の一部を認定した。難聴や虚血性心疾患のリスク増大などについては「証拠が足りない」として認めなかった。

 

原告の「共通被害」ではないとしながらも、爆音が成人よりも子どもに大きな影響を与えている可能性があることや、戦争体験者に大きな不安を与えていることを認定した。

 

1次・2次訴訟で爆音が違法と判断された後も国や米国は抜本的な被害防止策を取らなかったとして「周辺住民に違法な被害が漫然と放置されていると評価されてもやむを得ない」と指摘した。第3次訴訟は2011年4月に提起された。原告数は2次訴訟(約5500人)の4倍で、全国の基地爆音訴訟で最大。