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『琉球犬の純血保存に取り組む(右から)奥間梨々佳さん、比屋根優希さん、亀島湧人さん、池原佑佳さん=3月20日、うるま市の中部農林高校』

 

 

沖縄県立中部農林高校2年の亀島湧人(ゆうと)さん(16)ら5人が、4月から沖縄の在来犬「琉球犬」の純血保存に挑戦する。繁殖の難しさから保存会がほぼ活動を停止するなど、存続が危ぶまれる琉球犬について亀島さんは「純血の琉球犬を絶滅させたくない。どこまでできるか不安はあるが、精いっぱい頑張りたい」と話している。

 

県の天然記念物に指定されている琉球犬は1990年、絶滅を防ごうと保存会が設立されたが、繁殖の難しさや個人負担の大きさなどから会員が減り、現在は活動をほぼ休止している。血統書は13年ほど発行されていない。

 

亀島さんは2016年10月から、琉球犬の松虎(しょうと)を世話している。松虎は同年、亀島さんの先輩らが保存会から引き取った犬。約1年かけて琉球犬の特性や現状を調べ上げた先輩らの姿を見て、琉球犬に興味が湧いたという。亀島さん同様に純血種の保存に取り組もうと名乗りを上げた中部農林高の奥間梨々佳さん(16)、池原佑佳さん(16)、比屋根優希さん(16)、新川楓さん(16)と今後、共に活動する。

 

先輩に勧められて松虎の世話を担当することになった亀島さん。当初は落ち着きがなく、なかなか指示に従わない自由奔放な松虎にかなり手を焼いたという。何度も訓練を重ねてスキンシップを取り「最近やっと心が通じてきた気がする」と、足元に座る松虎の頭をなでながら話した。

 

5人は今後、純血同士の交配をするため、松虎の「お嫁さん探し」に取り掛かる。交配が成功した後は、純血の琉球犬を増やす目的に協力できる環境にある希望者に譲渡する予定だ。(嘉数陽)

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