通りのシンボルになっている平和通りのアーケード
ノスタルジックな雰囲気が漂う沖縄県那覇市平和通りのアーケード。マチグヮーのシンボルとなり、長年、夏の強い日差しや亜熱帯気候特有の突然のスコールから客や店を守ってきた。一方、築36年で老朽化も進み、課題も山積する。そんなアーケードについて考える意見交換会が始まっている。平和通り商店街振興組合の奥間良順副理事長は「平和通りをさらにいい通りにするためにも、多くの関係者に議論を広げてほしい」と呼び掛けた。
平和通りのアーケードは全長416メートル、幅7メートル。1981年に当時の店主たちの出資で建設した。テントの張り替えや部分的な補修はしてきたが、柱やはりはそのままで劣化が進む。
平和通りをはじめ中心商店街で、サンライズ通り以外のアーケードは建築基準や道路使用許可、消防の基準など、法的基準を満たしていない。仮にアーケードを建て替える場合は、これらの設置基準を満たすために周囲の建物の建て替えや補修も必要になり、予算は概算で6億円にも上る。
平和通り商店街を中心に2015年からアーケードに関する勉強会を始め、16年に検討委員会を設置した。しかし、店舗所有者と借り主が異なることなどから参加者は少なく、議論が進まなかった。
そこで組合は9月28日に、委員から幅を広げて検討会を開催した。「6億も資金が必要なら撤去した方がいいのでは」「アーケードがないと客が来なくなる」―。店舗の経営者や店主、常連客なども集まって意見を交わした。今後、建築士会などが撤去や改修した場合のシミュレーションを提示しながら、年度内に方向性をまとめる予定だ。議論をサポートする市なはまちなか振興課は「課題を先送りにしても解決にならない。家主や商売を営んでいる皆さんが主体的に取り組んでほしい」と話した。
次回の検討会は10月26日になは商人塾で開かれる。