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とまとハウジング看板猫で茶トラの「2代目チャイ部長」=21日、浦添市伊祖(新里圭蔵撮影)

 

2月22日は「にゃんにゃんにゃん」のゴロにちなんで猫の日。沖縄県浦添市伊祖の不動産業とまとハウジングには猫の社員がいる。癒やし効果で客を呼び、業績アップに貢献する「リアル招き猫」として評判となっている。現在は、2代目チャイ営業部長と社員のぴぃちゃんが日々“業務”に励んでいる。

 

猫社員の仕事は、朝のパトロールから始まる。出勤した社員が窓を開けると、外の様子を確認。近くの保育園児が散歩で訪れる午前中は、窓越しに園児の前で寝っ転がるサービス。アイドル気質の2代目チャイ部長は、客が来ると膝にすり寄って“接客”する。ぴぃちゃんは社内を見守るように棚の上に鎮座する。

 

猫との出会いは18年前。川端ゆかり社長(46)が会社を立ち上げて半年ほどの2000年6月に、中古物件のガレージでダニだらけの子猫を見つけた。昔から猫好きの川端さんは、迷わず保護し、動物病院に駆け込んだ。

 

初代チャイが“入社”して以降は、猫がいるからと契約を決める客がいたり、猫に会いたいと訪れる人がいたりと、業績も右肩上がり。1年で営業部長に“昇任”した。人に慣れず気性は荒いが、机の上の書類は決して荒らさない。振動で事務所が揺れると外に向けて威嚇のポーズをとり、社員を守るようなしぐさをとることも。「社員を和ませるし、守ってくれた。あんな猫はいない」。川端さんは思い出して目を細めた。

 

2年前、16歳で天国に行ったチャイ。その翌日、保護活動をしている友人を通じて処分予定だった野良猫でチャイにそっくりな子猫に会った。それが2代目のチャイになった。09年に保護したぴぃちゃんと2匹で今日も会社を明るくする。

 

川端さんは猫との絆を「言葉は通じないけど分かり合いたい。分かり合えなくても好き。そんな関係性」と表現する。「猫たちのおかげでここまでこれた」。川端さんが笑顔で感謝を述べると、せわしなく動き回っていた2代目チャイ部長たちは「猫の手も借りたい」と言いたげにこちらを見詰めていた。

(田吹遥子)

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