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沖縄県警のまとめた2017年の暫定値で、子どもが親から虐待を受けた疑いがあるとして、県警が児童相談所に通告した数が284件、児童数511人に上り、2007年の統計開始以来過去最多となったことが5日、分かった。県警によると心理的虐待のうち、ほとんどが子どもの前で親が配偶者に暴力を振るう「面前ドメスティック・バイオレンス(面前DV)」だった。

 

県がまとめた2017年度の「児童相談所業務概要」によると、児童相談所に通報のあった虐待の相談経路のうち、県警からは約4割だった。その他の6割は児童本人や家族、近隣住民などからの相談だった。

 

県警による児童相談所への通告件数や人数は年々増加傾向にあるが、17年は対前年比で74件、127人の大幅な増加となった。

 

種別ごとの内訳では「面前DV」を含む心理的虐待が164件332人で最も多く、対前年比でも89件、150人増加。身体的虐待は62件82人で、対前年比は16件、38人減だった。ネグレクトは57件94人で、2件14人増。性的虐待は1件3人で、1件減、1人増となった。

 

通告件数が年々増加している背景について、県警は(1)県警やマスコミの周知などによって社会的関心が高まり、相談や通報が増えた(2)子どもの保護を優先するため、積極的に通告をしている―と分析した。

 

県中央児童相談所の與古田貴之主幹は面前DVについて「子どもが親の顔色をうかがい、家の中での居場所がないと感じたり、他の人への暴力や暴言につながったりする可能性もある」とし、夫婦げんかや暴力が子どもに影響を与えることを理解し、冷静な話し合いで解決することなどを求めた。(真栄城潤一、池田哲平)

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