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福祉業界を目指す学生に向け、各法人の若手社員が現場の様子をざっくばらんに語った「福祉就職フェア」=13日、那覇市の県総合福祉センターゆいほーる

 

沖縄の福祉業界を盛り上げたいとユニークな取り組みを展開している若者たちがいる。福祉の求人サイトを運営する「fukushi works okinawa」(フクシワークスオキナワ)。求人サイトではあえて主観を重視し、介護や保育、障がいなど各分野の事業所の魅力を紹介するほか、従来にない就活イベントを企画するなど、沖縄の福祉業界に新たな風を吹き込もうとしている。(大城周子)

 

13日、那覇市の県総合福祉センターで、来年春に卒業予定の学生らを対象に8法人が出展した「福祉就職フェア」があった。気軽に楽しめるよう参加者は「スーツ禁止」、出展ブースで説明するのは20〜30代を中心とした若手職員という敷居の低さが特徴だ。「休みはどれぐらいもらえますか」「異動の不安はないですか」。学生たちは福祉を志しているものの、どの分野に進むかは決めていない人がほとんど。年齢の近い“先輩”たちの話に熱心に耳を傾けていた。

 

通常、福祉分野の就職活動シーズンは12月以降に本格化する。だが年明けに国家試験が実施されることもあり、1、2社しか知らないまま就職先を決める学生も多いという。

 

ゆとりを持って現場との接点を増やすことは学生だけでなく法人側にもメリットがある。フェアに参加した社会福祉法人「ニライカナイ」の豊村英事務局長は「人材確保は福祉業界に限らない課題だが、他の業界が6月から内定を出す中で出遅れてしまうのが現状。フェアはより多くの学生へアピールする機会になる」と歓迎する。

 

フクシワークスは昨年4月、代表を務める新垣潤一さん(30)とフリーランスでさまざまな事業に関わる森田直広さん(34)を中心に立ち上げ、5人ほどのメンバーで運営している。新垣さんは、就職や採用を支援する企業で福祉分野の担当として働いた経験を持つ。福祉業界の就活時期にもどかしさを感じていたといい「早い時期からいろんな法人を見てどこが自分にあっているのか考えてほしいと思った」と語る。「大変できつい」というイメージを払拭(ふっしょく)し、やりがいや可能性を伝えたいとの思いもあった。

 

求人サイトでは給与や待遇といった基本情報だけでなく、新垣さんや森田さんが実際に経営者や職員へインタビューした内容を紹介している。独自の理念がありそれを実行に移しているか、職員や利用者への思いがあるかなどが掲載の基準だが、最も大切にしているのは「その法人に対して自分たちがワクワクするかどうか」と2人は言う。昨年11月には芸大生を対象に、障がい者支援をする法人の合同企業説明会を実施。不定期で開催する「フクシ・バー」では、社会福祉士や作業療法士を「バーテンダー」に見立て、お酒片手に福祉について語り合う。

 

新垣さんと森田さんは「これからも枠にはまらず、堅いこともゆるいことも企画していきたい。沖縄が福祉の中心といわれるような流れをつくれたらいい」と笑顔で目標を話した。求人やイベント情報はフクシワークスのサイトやフェイスブックで発信している。