千葉大に進学する花城凪さん(前列中央)の見送りのため名護から自転車で駆け付けた(左下から時計回りに)比嘉万実さん、伊是名正路さん、与那嶺倫さん、嘉数利海さん、當山安南さん=3月26日、那覇空港
【名護】3月に名護高校を卒業し、4月から千葉大学法政経学部に進学する花城凪(なぎ)さんを見送るため、同級生ら5人が3月26日、名護から自転車で那覇空港に駆け付けた。名護を出たのは午前2時。午前11時すぎに那覇空港に到着し「頑張ってこいや」と、出発間際の花城さんの背中をたたいた。「みんながあんなに時間をかけて来てくれた。俺も県外でへこたれたら駄目だと思った」と花城さんは喜んだ。
見送りに行ったのは、花城さんと一緒に3月に名護高校を卒業した當山安南さん、伊是名正路さん、与那嶺倫さん、比嘉万実さんの4人と、同じ地域出身で鹿児島県の高校を卒業した嘉数利海さんの5人。高校時代に花城さんと同じ陸上部で競い合い、一緒に辺戸岬へサイクリングするなど「気の合う仲間」(花城さん)だった。
花城さんが旅立つ前日、自動車で空港まで送る予定だった友人が車を出せなくなった。しかし「何が何でも見送りに行きたかった」と与那嶺さん。迷うことなく自転車に乗り、深夜に出発した。
夜道に気を付けながら自転車で向かった5人は、途中出会った人に食事をおごってもらうなど助けてもらいながら、ぎりぎりの時間に空港にたどり着いた。「まさか自転車で来たの」と驚いた花城さん。「ありがとう」と何度も繰り返し、笑顔で応えた。
伊是名さんは9月から自衛隊に、ほかの4人はそれぞれの夢を目指し名桜大に進む。當山さんは「車で普通に行くよりも思い出に残った」と笑顔で振り返った。
花城さんは「県外の生活に不安もあるが、こんな見送りは忘れない。自分の殻に閉じこもらず人脈を広げ、将来は弁護士になりたい」と夢を語った。