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「落ち込んでいる状況を県民投票で変えたい」と語る「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎氏=17日、宜野湾市新城

 

米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設問題で、建設の是非を問う県民投票を研究してきた学者や学生でつくるグループが「『辺野古』県民投票の会」を組織し、投票条例制定の請求に必要な署名集めを5月から始める。請求代表者には呉屋守将金秀グループ会長、新垣勉弁護士、仲里利信前衆院議員らが名を連ね、早ければ9月の統一地方選、遅くとも秋の県知事選と同日の実施を目指す。会の代表に就いた一橋大大学院生の元山仁士郎さん(26)に狙いなどを聞いた。

 

―県民投票の実施を求める狙いは。

 

「2016年末、翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しを巡る違法確認訴訟で県が敗訴した。今年の名護市長選で新基地建設反対を掲げてきた現職が敗れた。争点がかみ合わない中で負けが続き、ちるだいムードが漂っている。県民投票をやれば、ワンイシュー(単一争点)なので、はぐらかされることはない。もう一度議論を起こし、新しい風を吹かせたい」

 

―辺野古への基地建設に反対する人の間でも、県民投票実施への意見は分かれている。

 

「新基地反対の民意は既に選挙で示されていると主張されているが、15年に出された福岡高裁那覇支部の判決は、辺野古新基地建設に対する民意は選挙からは明らかでないと指摘している。知事が埋め立て承認を撤回した後、再び裁判となった場合に、同じ認定をされてしまう可能性が高い。埋め立て承認を白紙に戻すには、県民投票で明確な民意を示して撤回するしかない」

 

「条例制定による住民投票には確かに法的拘束力はないが、知事の行政権限である撤回と結び付くことで、法的拘束力を持ち得るものになると考える」

 

―県政野党の自民党は、移設を容認する立場から、県民投票に協力しないことが想定される。

 

「投開票事務で市町村の協力を得る上でも、署名の数が関わってくると考えている。住民投票の条例制定の請求には有権者の50分の1以上の署名があればいいが、党派によらず多くの県民が求めていることを示すために、10分の1に当たる11万5千筆の署名を目標にする。選挙と一緒に実施することで経費を抑えられると理解を求めたい。住民が直接意思表示する機会は民主主義を考える上で、お金に代えられないものだと思う」(聞き手 与那嶺松一郎)