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新鮮で安全、安心な県産野菜などを求め地元利用者でにぎわうちゃんぷるー市場=4月、沖縄市登川の同市場

 

【沖縄】沖縄市登川の直売所「JAおきなわ中部ファーマーズマーケット・ちゃんぷるー市場」が盛況だ。農家主体となった「軽トラ市」の開催や、英語で品目を紹介したポップ設置など独自の取り組みで、地元客だけでなく、外国人利用者など幅広い客を集めており、商品の回転率も高い。多種多様な客層が奏功し、少量多品目でも「売れる」仕組みができ、農家の生産意欲向上にも寄与している。

 

2007年に開業したちゃんぷるー市場は、年間来場者数(レジ通過人数)約6万人、売上高約12億円を維持し、JAおきなわが運営する県内直売所11店舗のうち「いとまん・うまんちゅ市場」に次ぐ第2位の売上高だ。ちゃんぷるー市場生産者会の宮島寛之会長は「これまで卸し先は競り市場が主だったが、ちゃんぷるー市場のおかげで競り市場に出品できない生産者も卸すことができるようになった」と語る。

 

ほかの直売所にはない大きな特徴として、米軍基地関係者の利用が多いことも挙げられる。宮島さんは「外国人利用者は新しい物好きな人が多い。農家が新しい品目にも挑戦できる。『少量多品目』での生産が可能になった」と分析する。市場では外国人利用者のため、英語で品目を紹介したポップ広告を設置するなどし、外国人客向けの仕組みづくりにも取り組む。

 

新規顧客の獲得にも注力する。市場の独自企画として3月、軽トラックに商品を並べ生産者が販売する「軽トラ市ま~さんフェア 畑人(ハルサー)マルシェ」を開催した。生産者の顔が見え「新鮮で安心、安全」(宮島さん)な地元特産品をPRした。

 

そのほか、定期的なイベントでは、生産者が協力する旬野菜の収穫体験や地元のシェフが紹介する旬野菜を使ったレシピ紹介などを開催している。

 

市場の喜友名大輔店長は「出荷者が『自分たちの市場』としての意識が高く、生産意欲も高い」と、生産者主体となったイベント企画を仕掛ける。今後は「観光客を呼び込むような施設整備、イベントの企画発信などに取り組みたい」と、新たな沖縄市の観光拠点を目指し意気込んでいる。

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