(写真・神奈川新聞)

藤沢駅南口の商店会「南藤沢イータウン」が地域を盛り上げるため、毎月第4日曜日に東奥田公園(藤沢市南藤沢)で開く「マルシェ(市場)」が人気を呼んでいる。東日本大震災が客足や営業に影を落とし、商店主らの危機感から生まれた企画の一つ。桜や水鉄砲、花火など季節ごとにテーマを変え、来場者を楽しませている。商店会は「『街中のオアシス』のような存在になれたら」と意気込んでいる。

 

「いらっしゃいませ」、「手作りのパン、売っています」。快晴に恵まれた27日、会場の公園には、子どもたちの元気な声が響いた。31回目の今回は「子どもマルシェ」。職場体験も兼ね、子どもたちが手作りのパンやピザ、オーガニックコーヒー、有機野菜など、出店した商店会加盟の12店舗の販売を手伝った。

 

商店会がマルシェを始めたのは2015年11月。きっかけは東日本大震災だった。自粛ムードで客足は遠のき、東京電力福島第1原発事故の影響による計画停電で、営業時間も制限された。

 

商店会のある街区は駅周辺の繁華街から国道を隔てた場所にあり、中層マンションが立ち並ぶ。一見すると普通の住宅街の中に、飲食店や美容院、エステなどがある。イタリア料理店を営む商店会の鈴木一哉会長(46)は「もともと隠れ家的存在だった店だけに、お客さんがほとんど来なくなってしまった。周囲の店舗も同じ状況で、『これは何とかしなければ』と思った」と当時を振り返る。

 

12年5月に商店会を結成。加盟店や地元を盛り上げるために、知恵を絞り合った。その中から誕生したのがマルシェだった。

 

3月は桜まつり、7月は水鉄砲遊び、8月は夕市での花火大会…。来場者を飽きさせないよう、季節などを意識してテーマも変えた。鈴木会長は「足を運んでくれるお客さんに少しでも楽しんでもらえたらいいなと、手探りで続けてきた」と笑う。

 

27日のマルシェでは、ギターのライブやラジオ体操なども行われ、集まった人々が思い思いの時間を満喫していた。鈴木会長は「テーマに趣向を凝らし、地域の人が気軽に立ち寄れる場にしていきたい」としている。