(写真・神奈川新聞)

 

二つの酒蔵がある大井町の特色を生かし、足柄上商工会大井支部(同町商工振興会)が、酒かすを使った入浴剤の開発に取り組んでいる。既に試作品が完成し、町内外の80世帯でモニターを実施中。日本酒の仕込み時期となる今冬の商品化を目指し、活性化だけでなく、酒造り文化の発信にもつなげたいと意気込んでいる。

 

同支部は「大井町地酒で乾杯推進協議会」(事務局・町地域振興課)と手を結び、昨年7月ごろから日本酒を素材とした新商品を検討。漬物用に一部出荷されているものの、大部分が捨てられている酒かすを活用した入浴剤なら「体に良くて蔵元にもメリットがある」と開発を決めた。

 

昨秋からは、風呂の配管が詰まらないよう成分だけ溶け出す包装を選んだり、入浴時に必要な分量を調べたりと、酒蔵から取り寄せた酒かすを使って実験を重ねてきた。同支部の担当者は、真っ白になった湯船に入って「体は温まるし、これはいけると感じた」と話す。

 

専門機関の成分分析で、保湿成分や美肌効果があるとされるアミノ酸成分が多く含まれていることも分かった。女性をターゲットにパッケージのデザインにも気を配り、町内にある石井醸造と井上酒造の純米酒の酒かすを使った入浴剤の試作品2種類を完成させた。

 

製造コストを抑えるめどが立ち、町民からの問い合わせも寄せられているが、同支部による商品化はしない方針。担当者は「商工会で作ってアンテナショップで売るのは簡単だが、商工会が(製造・販売を)止めたら何も残らないから」と説明する。

 

「足柄平野の歴史ある酒造りを文化として後世に残すには、蔵元と地域がつながり、事業として続けていけなければ意味がない」とも強調。同支部は今後、6月上旬にまとまる予定のモニターの結果を踏まえ、酒蔵主導で商品化できるよう支援していくという。

 

問い合わせは、同支部電話0465(83)3211。

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