警察官に体を抱えられ、強制的に移動させられる市民ら=28日午前8時55分ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 

カンカン照りの空の下、28日午前も市民は「基地は要らない」と訴え続けた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設工事。

 

資機材の搬入口となる米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、30人余りの市民が座り込んで工事に抗議する中、午前8時50分頃からトラックやミキサー車が車道に列をつくり始めた。

 

沖縄県警が市民の前に立ちふさがる。まもなくして「排除」が始まった―。

 

今月8日の「梅雨入り宣言」はどこへ行ったのか、名護市辺野古は28日も朝から青空が広がった。午前9時の時点で同市は28・3度を観測。湿度も高く、汗ばんだシャツが肌にまとわりつく。

 

「道路交通法違反に該当します。速やかに移動してください」。左手にメガホンを持った警察官が「警告」する。ゲート前で座り込んだ市民らは肩を寄せ合い、じっと動かない。「警告」から1分ほど後だっただろうか、メガホンを持った警察官が今度は右手の棒を振り上げ、「排除」のサインとなった。

 

「痛い、痛い!」「乱暴はやめろ」―。警察官に体を抱え上げられた市民らは、口々にそう訴えた。しかし、10分もたたないうちに、全員が強制的に移動させられた。

 

市民が「排除」されたゲート前は、警備会社の屈強な男性たちに代わった。彼らに「警備」されながら、資機材を積んだトラックやミキサー車が次々とゲート内に入っていく。市民は道路を挟んだ歩道から「美ら海壊すな」「埋め立てやめろ」などとシュプレヒコールを上げる。

 

10人近い市民は、トラックの運転手に向かって歩道でプラカードを掲げた。「子ども達の未来に基地はいらない」「違法工事やめろ」「自分さえ良ければいいのですか?」。運転手の反応は見えない。

 

午前10時15分ごろ、ようやくトラックの出入りが終わり、ゲートが閉まった。約1時間10分の間に、工事車両118台が中に入った。辺野古の海を埋め立て、新しい米軍基地を造るための資機材が運び込まれた。

ゲートが閉まった後、プラカードを掲げていた68歳の女性は「ふぅー」と息をついた。服の背中に汗がにじんでいる。元県職員。那覇市から友人と週1~2回通っている彼女は「新しい基地を造るのはやめてほしい。ただそれだけ。私たちは新基地を受け入れていない。絶対、反対」と力を込めた。

 

午前11時50分、ゲート前に再び工事車両が並び始めた。正午を過ぎて、警察官は市民の「排除」を終えた。まもなく、この日2回目となる資機材の搬入が始まった。沖縄県民の宝である「美ら海」。そこを埋め立てる石材が、また運ばれていく。多くの国民が昼食を取り談笑している、この時間も。(社会部・真崎裕史)

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