新基地建設が進められる名護市辺野古沖の大浦湾で30日夜、神秘的なサンゴの産卵が確認された。建設区域の一部で7月にも土砂投入が始まるとみられ、専門家はサンゴへの悪影響を懸念している。
午後10時ごろ、同市安部に近いポイント「チリビシ」。暗闇の中でミドリイシサンゴにライトを照らすと、海上に浮かぶピンク色の数ミリの卵が光に反射した。サンゴから卵が次々と放出されると、一面が無数の卵に覆われた。月明かりで照らされた海面にピンク色のじゅうたんが現れた。
産卵を確認した日本自然保護協会の安部真理子主任は「投入される土砂で、海域全体が汚染などへの抵抗度は落ちるだろう」と懸念を示した。29日に産卵を確認した水中写真家の中村卓哉さん(43)=東京都=は「感動の一言。卵が育って命をつないでいってほしい」と期待した。
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