ホテルの人事担当者から熱心に話を聞く留学生(右)=3日、那覇市 画像を見る

 

大都市圏で暮らす外国人留学生に沖縄の観光業界で働いてもらうことを目的としたマッチングイベントが3日、那覇市のホテルロイヤルオリオンで開かれた。人手不足が課題となる中、参加した沖縄県内のホテル16社の採用担当者らは「沖縄は外国人客が増加している。皆さんの能力を生かせる場所だ」などと呼び掛けた。

 

イベントはJTB協定旅館ホテル連盟(JTB旅ホ連)が初めて企画し、早稲田文理専門学校(東京)で通訳ガイドなどを学ぶ計28人が参加した。採用担当者らは労働条件や職場の雰囲気などを説明。ホテルからビーチを眺めた写真を見せると参加した留学生から歓声が上がった。

 

参加した前田産業ホテルズの小野潤一総務人事課係長は「人手不足もあるが、外国人観光客の増加に伴い受け入れに対応できる人材が求められている。ホテルがある本島北部は自然豊かな環境が母国と似ているとして興味を持つ学生も多い」と感触を語った。

 

沖縄での就職を検討するレ・ダン・マンさん(ベトナム出身)は「沖縄は温暖で暮らしやすそうで、沖縄で働きたいとの思いが強くなった」と笑顔で話した。

 

県内ホテル業界では人手不足が深刻な一方で、大都市圏の留学生には地方が就職先として選ばれにくい実態がある。在学中は学業やアルバイトなどに追われて日本の地方を知る機会が少ないことが背景にあるといい、JTB旅ホ連の白井隆久担当部長は「沖縄は人手不足感が全国的に見ても強い。沖縄で働く魅力を伝え、外国人採用を巡るギャップを解決したい」と狙いを語る。

 

留学生たちを引率した早稲田文理専門学校の佐藤直子副校長は、留学生が多い東京は就職競争が激しい面もあるとし「沖縄は住みやすく人柄も優しい。今回も予想以上の学生が参加し、関心の高さを感じる。1人でも多くの人を就職させたい」と語った。

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