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沖縄県那覇市の国際通りと沖映通りでの路上喫煙を禁止する「路上喫煙防止条例」が2007年に施行され、11年になる。県内で初めて路上喫煙禁止地区を定めた議員提案の本条例。09年に指導員の巡回が始まって以降、指導件数は徐々に減り、9年で7割減となった。指導員の熱心な声掛けも功を奏し、認知度は高まってきている。

 

路上喫煙防止条例は、健康的で快適な生活環境と観光都市にふさわしい環境確保を目的に制定された。09年度から指導員2人による巡回指導をスタートさせ、路上喫煙禁止地区を知らせる看板設置など本格的取り組みが始まった。

 

市観光課によると、09年度の指導件数は4891件で、そのうち4割超の2214件は地元関係者が占めていた。だが地元は年々減少し、16年度には477件と当初の約5分の1まで減った。日本人観光客の指導件数も09年度の2296件から16年度には521件まで減少した。一方、外国人(在住者や観光客など)への指導件数は横ばいで、17年度は前年度から100件増加した。市の名嘉元裕経済観光部長は議会で「外国人に関しては(認知や理解が)十分ではない」と課題を指摘する。

 

指導件数の減少には指導員の働きが大きく貢献している。14日も午後2時半から、2人の男性指導員が国際通りと沖映通りを回った。この日は雨降りで喫煙者はほとんどいなかったが、同通りで吸い殻を手にした女性を確認。指導員の一人が「ここは禁煙ですよ」と注意し、携帯灰皿を渡すと「知らなかった。すみません」と素直に吸い殻を入れた。

 

巡回中、指導員に親しげに手を振る男性も。指導員によると「常習だったけど、話しているうちに聞いてくれるようになった」という。指導員を見てたばこを隠す人もいるというが、「ほとんどの人はちゃんと聞いてくれる」と話す。

 

課題とされる外国人の喫煙者には多言語で喫煙禁止を説明するチラシを配布している。指導員の一人は直接伝えるために韓国語や中国語を学んだ。「コミュニケーションが大事。自分がやっていることが那覇市の観光に少しでも役に立てばうれしい」と話した。

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