【名護】また流弾か―。沖縄県名護市の市街地から南に位置する数久田の民間地に21日午後、銃弾とみられる物が見つかり、住民を驚かせている。隣接する米軍キャンプ・シュワブ内の訓練場から飛んできた可能性がある。過去にも実弾が久志岳を越え数久田に着弾し、住民を幾度も恐怖の底に陥れた。現場を確認した区長は、訓練場からの流弾であれば訓練自粛を米軍に求める考えを示した。住民の生命を脅かすような事態に地域は緊張に包まれた。
数久田でマンゴーやシークヮーサー畑を営む小嶺雅彦さん(44)は正午ごろ、買い出しの後に畑の小屋に戻った。クーラーの電源を入れていたのに室温が高いため、疑問に思い周囲を見渡したところ、床に散らばるガラスの破片に気づいた。二つのガラスがそれぞれ破損していた。壁には銃痕のような傷があった。窓枠の下に銃弾のような物を見つけた。
「まさか。土地改良区として管理されているところに飛んでくるなんて」。最初は信じられなかったが、110番通報で事態を知らせた。名護署によると、銃弾のような物の大きさは直径1・2センチ、長さ約5センチだった。小嶺さんは「ちょっと大きな弾だった。自分がいる時に飛んできていたらと考えると怖い」と緊張で頰をこわばらせた。
実弾射撃訓練がある日は、午前6時ごろから「パパパパパ」という発射音が、数久田まで響く。18日から24日は終日、シュワブとハンセンで実弾演習をすると事前に通知があった。
畑を確認した数久田区長の比嘉幹和さん(63)は午後8時前、沖縄防衛局の職員と公民館に戻った。比嘉区長は「こんなのが二度三度起きたら大変だ。まだ米軍のものかどうかは分からないが、そうであれば訓練の自粛を求めたい。防止策をしっかりしてほしい」と述べた。
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