避難所で不安そうにテレビの台風情報を見つめる80代女性=1日午後7時ごろ、沖縄市役所 画像を見る

 

「家が吹き飛ばされないか心配」「高齢者には耐えられない」。暴風と大雨を伴い、再び週末の沖縄地方を襲った台風7号。1日、夕方からは交通機関はストップし、観光施設やスーパーも営業時間の短縮を余儀なくされた。市町村が開設した避難所にはお年寄りらが身を寄せ、不安な夜を過ごした。

 

那覇空港は、航空便の欠航を受けてロビーに多くの人がごった返した。

 

石垣市から来た介護士の中村るみ子さん(63)は「今年1月に亡くなった兄が生前お世話になった人へのお礼に来たが、今日は空港に来てから欠航だと知った。台風で足止めをくらったのは初めて」と肩を落とした。

 

野球の12歳以下アジア大会のため、宮崎に行く予定だった豊見城中1年の大城龍紀さん(12)は「キャッチャーとして出場するはずだった。明日は中国との試合があるけど、出場できなくなった。4日のインドネシア戦には出たい」と残念そうに話した。

 

市町村も各地に避難所が設置した。沖縄市役所に避難した大城正子さん(86)=市高原=は「家がトタン屋根で(台風時には)雨漏りもする。扉もガタガタいうので、強い風で吹き飛ばされないか心配」と不安な表情で話し、「命が一番大事」と繰り返した。

 

台湾から観光で来沖し、帰りの便やホテルが取れなかったという林春吟さん(47)は、那覇市役所で一夜を過ごした。「3日間の予定で沖縄に家族旅行に来た。玉泉洞などを観光してきた。場所や毛布の用意など、那覇市職員の対応は素晴らしい。感謝している」と笑顔も見せた。

 

スーパーは食品を買い込む客であふれた。イオン那覇店を訪れた20代の台湾人女性観光客は「帰れなくなって空港から引き返してきた。台風で外では食べられないのでここに買い物に来た。台風は怖くないが、明日は仕事なので帰れなくて心配だ」と話した。那覇市の70代女性は「雨は降っても風は止んでほしい。これから帰って家の台風対策をする予定だ」と家路を急いだ。

 

首里城公園と美ら海水族館では、夕方から臨時休園にするなど台風対策に追われた。【琉球新報電子版】

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