米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設を巡り県は31日午後、仲井真弘多前知事による埋め立て承認を撤回する。政府は2013年に仲井真前知事が埋め立てを承認したことを受けて辺野古新基地建設を進めている。撤回により承認の法的根拠が失われ工事が止まる。当初は8月17日から開始を予定していた辺野古海域への土砂投入は当面できなくなる。県が「最後の切り札」としていた撤回に踏み切るが、政府は工事再開へ法的対抗措置を講じる構えだ。辺野古新基地を巡る国と県の対立は再び法廷に入り、重大局面を迎える。

 

県は30日、31日に撤回に関する記者会見を開くと発表した。31日午後、県土木建築部の担当者が撤回処分の通知書を沖縄防衛局に提出する。提出後の午後4時から、富川盛武、謝花喜一郎の両副知事が会見し、詳しく説明する。建設予定海域に軟弱地盤の存在が明らかになったことや事前に決めた環境保全対策を実行していないことなどを処分の根拠にするとみられる。

 

県幹部は29日に協議し、31日に埋め立て承認を撤回する方針を確認した。翁長雄志氏の知事在任中の急逝や台風の影響で国が土砂投入を先送りしたことも踏まえ、県は慎重に撤回の時期を検討してきた。任期中に撤回すると明言していた翁長氏の遺志を尊重し、必要な手続きを終え、撤回処分に踏み切ることを決めた。

 

沖縄防衛局は対抗して撤回の効力をなくす訴訟を起こすなど対抗策を取る方針で、国と県は再び法廷闘争に入ることになる。国が裁判所などに執行停止を求めて認められた場合、数週間から数カ月で工事が再開される見通しだ。

 

翁長氏は7月27日、埋め立て承認を撤回する方針を表明し、8月8日死去した。翌9日、県は防衛局から撤回処分に関する意見を聞き取る「聴聞」を実施した。