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9月末から沖縄地方を相次いで襲った台風24号、25号の暴風で通信ケーブルが切断するなどし、沖縄県内の一部で固定電話やインターネットが利用できない状況が続いている。NTT西日本沖縄支店によると、9日午後5時現在、沖縄本島中南部を中心に5596件が復旧していない。同支店は「10月下旬の回復」を目指し作業員を増員する方針だが、完全復旧の時期は見通せない状況だ。

 

同支店によると、通信障害の主な要因は、電柱からの引き込み線が台風24号で切断されたことにある。1件ごとに訪ねて修理する必要がある上、台風25号が続いたため、県外からの支援体制が整わなかったという。

 

修理は、利用者がNTT西日本に申告する必要がある。9日現在、県内で6656件の申告があり、1060件が復旧。ただ、申告件数は増加傾向で、5千件以上が不通となっている。

 

NTT西日本は12日、高所作業用車両3台を本州から沖縄に派遣する。さらに西日本全域から人的支援を強化し、復旧作業を加速させる方針だ。

 

同沖縄支店は「ご不便をお掛けして申し訳ない」としている。

 

不通の申告は局番なしの「113」へ。携帯電話からは(電話)0120(444)113。

 

保育園、業務に支障も

 

台風24号、25号による通信障害が10日以上と長引く中、県内の一部保育園や学校で、保護者や業者との連絡手段が制限され、業務に支障を来すケースが出ている。園長らの疲労感は増しており、早期復旧を訴える声が相次いでいる。

 

糸満市のある保育園では、台風24号が直撃した先月29日から通信障害が続いている。固定電話、ファクス、インターネットのいずれもが使えず、園長の個人用携帯電話で代用している。園長は「給食業者などとやりとりが必要で、携帯では足りない。ファクスの利用でコンビニを行き来しており、事務作業に支障を来している」と困り顔。「NTTに問い合わせても『復旧のめどが立たない』との回答。途方に暮れている」と疲れた声で語った。

 

南城市の佐敷幼・小・中学校でも電話やインターネットが使えず、保護者との意思疎通が取りづらい状況だ。

 

市教育委員会は「教員も保護者も困っている。早く復旧してほしい」としている。

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