客の雰囲気を見ながら選曲するベテランDJ、uncleKAYAさん=那覇市牧志のレコード&ミュージックバーon

 

音楽やダンス好きが集まる「クラブ」と言えば、営業時間は夜~深夜。そして、薄暗い空間で大音量の音楽とアルコール、タバコの煙―というイメージだ。子育て中の人からすれば、夜子どもを預けてまでは行きにくい。ママから最も“遠い”場所のように思える。かつて毎週末クラブで遊んでいても、子どもが生まれてからは行かなく(行けなく)なったという人も少なくないだろう。

 

子どもがいても、夜遊びができなくても、良質な音楽を楽しみたい!そんな大人たちの欲求を満たすイベントが2カ月に1回、那覇市牧志のモノレール美栄橋駅近くのレコード&ミュージックバー“on”で開かれている。

 

沖縄偶数月の第1日曜日の朝。ここで開かれているイベントの名は「モーニングラウンジ」。

 

朝の光が降り注ぐ中で、DJがハウスミュージックを中心に音楽を流す。夜のクラブとは違い、音も大きすぎない。

 

その空間で美味しいコーヒー、沖縄食材を使った美味しい朝食が振る舞われる。踊るもよし、食事を楽しむもよし、会話を楽しむもよしのイベントだ。会場内は禁煙で、もちろん子ども連れもOK。

 

風船で遊ぶ子ども、音楽に合わせ踊る子どももいる。その横で大人たちもそれぞれ思い思いの時間を過ごしている。

 

2017年7月から始まったこのイベントを主宰するのは葉月さん(36)。7歳の男の子のママだ。音楽が好きで10代後半からクラブに通うようになったが、出産後は夜遊びできなくなった。

 

「子どもを預けてまで夜、クラブには行きにくい。預けて夜遊べたとしても、翌朝も早く起きなきゃいけない。それはきつい。それなら、子どもも一緒に朝遊べばいい」

 

“on”のオーナーや周囲の人に押され、初めてイベントを企画した。

 

頭の中にあったのは、20代の頃に留学したイギリスのストリートの風景。マルシェ(市場)の隣で音楽が流れ、通りがかった人が普通に踊っていく。音楽が生活に溶け込んでいた。「やるなら、食と音楽を近づけたい」とストーリー性のある選曲ができるDJと沖縄食材を使う飲食店に声を掛けた。

 

毎回、2~3人のDJが出演。フード、雑貨を売るブースもある。誰でも気軽に来られる雰囲気にするために、女性DJを必ず入れている。香菜さんもスタート時から参加するDJの1人だ。「ママだけでなく、音楽好きでも夜はクラブに行けない人もいる。日曜の朝から最先端のおしゃれな音楽をかけられるのは新鮮」と話す。

 

イベント立ち上げから1年3カ月。葉月さんは「この雰囲気が好きだと言って来てくれる方が増えてきた。10代、20代の頃はクラブで遊んでいたけど、今は遊べなくなった大人たちは多いはず。そんな人たちがふらりと立ち寄ってもらえるようなイベントにしていきたい」と意気込む。

 

子ども向けの音楽や公園もいいけれど、2カ月に1回くらいは大人な空間で過ごす日曜の朝があってもいい。思いっきり遊べなくなってしまったママたちは、この1回できっとエネルギーをチャージして笑顔で毎日を過ごすことができるはず。
モーニングラウンジ Facebookページ
https://www.facebook.com/morninglounge2018/

 

~ この記事を書いた人 ~

玉城江梨子(たまき・えりこ)

 

琉球新報編集局デジタル編集担当。新聞記者として約15年沖縄各地を取材。沖縄の本当の良さを全国の人に届けたいと思っています。

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