沖縄県経営者協会女性リーダー部会(富原加奈子部会長)は、307社の会員企業で働く女性従業員を対象に「県内で働く女性の意識調査」を実施し、1172件の回答を得た。その結果、月の平均残業時間が30時間以下が88%に上り、長時間労働の是正が進んでいることが分かった。また職場環境で不満なことに「仕事が属人化している」「慢性的な人手不足」という意見もあり、長時間労働の是正に取り組んでいる会社とそうでない会社の二極化が進んでいる可能性がある。
働き方改革で企業が取り組んでいることについての回答は(1)ノー残業デー(2)時短勤務(3)長時間労働の是正と続き、会員企業が長時間労働の是正に努力していることが分かった。
一方、職場環境で不満なことは(1)給与(2)仕事の属人化(3)人手不足(4)男性主体の働き方が根付いている(5)仕事の分担の不公平感―と続いた。時代の変化に合わせ、長時間労働の是正には取り組んでいるが、男性主体の働き方など古くからの慣習の見直しには至っていないことが見受けられる。
また「業務の質を高めたり、ほかの業務に挑戦したりしたいか」との質問には「そう思う」が33%、「環境が整えばそう思う」が57%と9割が前向きな意思を示した。企業に取り組んでもらいたい項目に「フレックスタイムや時短勤務など多様な労働時間」が最も多く、やる気のある女性を生かすには、働き方の多様化が求められている。
りゅうせき商事社長の富原部会長は「思った以上に残業が減っていることに驚いた。次は生産性の向上の取り組みが重要視されるだろう。今回の結果から、労働環境について経営者が考える機会になってほしい」と語った。
意識調査は「沖縄かふーあがちゅんプロジェクト」と名付け、沖縄大学の豊川明佳准教授など外部の関係者も交えて準備を進めてきた。9月3~28日までにパソコンやスマートフォンなどからウェブ上で回答を得た。回答者は正社員比率が高く、20~40代が多かった。回答者の業種は建設、情報通信、運輸、金融・保険など。
11月5日に那覇市内のホテルで会員企業向けにシンポジウムを開き、その場で今回のアンケート結果の詳細について報告する。