【宜野湾】宜野湾市の緑ヶ丘保育園に米軍機の部品カバーが落下した事故から、7日で1年を迎えた。園の保護者らでつくる「チーム緑ヶ丘1207」は原因究明や園上空の飛行禁止を訴え続けている。会長の宮城智子さん(49)、書記の与那城千恵美さん(45)、佐藤みゆきさん(37)に今の思いを聞いた。
―部品落下から1年が経過した。
宮城 米軍機は今も上空を飛び続けている。空の状態は全く変わっていない。最近は飛行する機体の種類が増え、むしろ騒音がひどくなっている。
佐藤 ヘリが保育園の上を飛ぶ時は機体が傾くことが多い。旋回するからだと思うが見ていて怖い。
―事故後、こどもたちに変化はあるか。
佐藤 自分の子どもたちは米軍機の音がしたら何か落ちてこないか気にするようになり、機体が見えなくなるまで見届けるようになった。私も今は音を聞くだけでドキドキする。ただ、最近1歳半の末っ子が寝ている時に音がしても起きなくなった。こうやって騒音に慣れていくんだなと感じる。
―園上空の飛行禁止などを求める12万筆超の署名を国に提出した。国や県、市の対応をどう感じるか。
宮城 国には「私たちに向き合う姿勢はないのか」と聞きたい。全く無視されている。原因究明と園上空の飛行禁止を求めてるだけなのに、何も変わらない。市や県、国には押し付け合わず、それぞれが当事者として関わってほしい。
与那城 新市長が来園したり、市議会が初めて視察をしたりしている。市として事故を認める発言も出てきた。市や市議会には「市のこどもたちを守ってほしい」と国に強く主張し、米軍に飛行ルートを守らせてほしい。
―活動の広がりは。
与那城 那覇から名護まで、県内各地でお母さん同士のつながりができてきた。22日には事故から1年を考えるイベントをするが、みんなすぐに動いてくれた。初めは自分たちだけで動いていて孤立感があったけど、今は「みんながそばにいる」と思えて、だいぶ気持ちが楽になった。
―今後に向けては。
与那城 沖縄のこどもたちを守るためにもっと横のつながりを広げて、みんなで現状について考えたい。その話したことを国などに訴えていく。
佐藤 この危険な状況を後世に残したくない。私たちが戦争体験を祖父、祖母から聞いたように、若い世代に私たちの経験を伝えたい。
(聞き手 長嶺真輝)