「お母さん、何人いるの?」「何人家族?」わが家の子どもたちは、友だちからそう聞かれることがあります。曜日ごとに違うヘルパーさんと一緒にお迎えに行くからです。
総勢10人のヘルパーさんがいるからこそ成り立っている私の子育て。子どもたちにとってもヘルパーさんは家族同然。朝7時半、ピンポーンとヘルパーさんが来て洗濯物を干し、朝ごはんの片付け、ゴミ捨てなどをします。子どもの機嫌が悪い時は、抱っこしてもらい、歯磨きやお着替えも手伝ってもらいます。9時にはヘルパーさんが帰り、その後10時から午後1時に別のヘルパーさんが来て、買い物やお出掛けをします。そして午後2時から9時、また別のヘルパーさんが来て、掃除、洗濯物の取り込み、調理、子どものお迎えに行き、夕飯をあげ、お風呂に入れます。
子ども2人の体調や機嫌で、予定通りにいかないこともよくあります。1日3交代のヘルパーさんで回すのが私流。1人のヘルパーさんが急な用事や病気で来られなくなっても、別の人で調整しやすくなるからです。
その日のヘルパーさんによって、やることを少しずつ変えることもポイント。それぞれに得意不得意があり、一つの家事にかかる時間が微妙に違うからです。今日は丁寧な人だから掃除をメインにしよう、今日は料理が得意な人だから新しいレシピに挑戦してみよう、というように。子どもたちも、このヘルパーさんとは折り紙、このヘルパーさんとはお料理、など楽しみがあるようです。茶わん洗い一つをとっても、使う水の量、洗剤の量、洗い方など人によって全然違うので、驚いたり勉強になったりすることもあります。
ヘルパーさんとの生活は大変なこともたくさん!
一番難しいのはコミュニケーションです。「カレーを作るのでにんじんを切って」と伝えても、2センチ大に切る人もいれば、ごろごろ大きめに切る人も。材料一つ一つの大きさ、炒める時間、味付け具合など、私の要望を細かく伝えます。「カレーを冷凍したいので、二つの袋に分けて入れてください」とお願いした時のこと。一つ目の袋には具がたくさん入っているのに、あと一つにはルーばかりのこともありました。伝え方も人によっても微妙に変えないといけません。
たくさんのヘルパーさんのシフトを作り、指示を出す私はまるで会社の人事や指導係のよう(笑)? プライベートな生活に入ってくる人だからこそ、信頼できる関係を築くのが大切です。そのコツはまた次回に!
(次回は19日掲載)
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伊是名夏子
いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。
(2019年3月5日 琉球新報掲載)