大麻所持による高校生の摘発を受け、緊急の記者会見を開く平敷昭人県教育長(左)ら=6日午後、県庁 画像を見る

 

県警は6日、昨年12月から今年5月30日にかけて本島内で大麻を所持したり、譲り渡したりしたとして高校生5人を含む有職、無職の少年、大学生ら16~19歳の計10人を大麻取締法違反容疑で摘発し、那覇地検に送検したと発表した。そのうち現役高校生の男女3人を含む5人を逮捕している。県警が同日発表したのは大麻関連事案6件で、合計23人の少年が関わったとしており、摘発、逮捕人数はさらに増える可能性もある。少年らの間に違法薬物がまん延している実態が明らかとなった形だ。

 

県警によると、未成年者10人のほか成人男性2人も摘発したとしている。摘発された高校生らが通う学校は複数にまたがっており、6件の事案はそれぞれ直接的には関連していない。摘発された少年らは大麻を使用した動機について「興味本位」「友人に勧められた」「体に悪影響はない」などと話しているという。

 

県警は逮捕した5人について、大麻を所持、譲渡、譲り受けた疑いがあるとしている。4人は容疑をおおむね認めているが、1人は一部否認しているという。

 

少年らは大麻に「野菜」などという隠語を使って売買していたとみられる。少年らの中にはインターネット上の会員制交流サイト(SNS)を介して、面識がないまま売買に関わっていた者もいる。

 

県警が発表した事案の1件については13人が関わり、現役高校生の男女9人が含まれていた。女子高校生1人と有職少年1人が逮捕されているが、大麻を売り渡した疑いのある男子高校生1人はまだ捜査中で、摘発されていない。県警はこの男子高校生に大麻を売った者がいるとみて、捜査を進めている。

 

県警によると、2019年5月末時点で未成年者による違法薬物の摘発件数は10件で昨年1年間を上回り、過去5年間で最多となった。

 

県の平敷昭人教育長は6日、県庁で緊急の記者会見を開き「大きな衝撃を受けており、強い危機感を感じている」とのコメントを発表した。会見で平敷教育長は、県警や関係機関と連携して薬物乱用防止に努める考えを示した。

 

琉球新報がSNSを調べたところ、県内で大麻を取引するアカウントが存在することが確認された。

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